高周波って何?

2022.05.12

初めまして。多摩川電子 営業部です。

さて、私たち多摩川電子は電気メーカーですが、皆さんがイメージされる電気メーカー像はどのようなものでしょうか。
一般的には家電製品等を作っているような会社を想像されるかと思いますが、当社では主に高周波無線・通信機器関連の製品を取り扱っています。

『高周波』というワードは、普段生活している限りではあまり馴染みのない言葉です。今回は、この高周波とは一体どのようなものなのか、という点にスポットを当ててみましょう。

一言でいうと、高周波とは「波」のことです。しかし、この高周波というものは意外わかりにくいものなんですね。実際に『高周波』と聞いてもしっくりとこない方も多いと思います。
私自身も入社するまではさっぱり知識がなく、Wikipediaで調べてみたものです。

そこから引用してみると『高周波(こうしゅうは)とは、電波、音波など、波形を構成するスペクトラムのうち比較的周波数の高いものを指す。』と記載があります。高周波もよくわかっていないのに周波数って?余計わかりにくいですね。馴染みのない方だと、これだけでアレルギー反応が出る方も多いのではないでしょうか。

では「電波」という言葉ではどうでしょう。なんとなくイメージしやすくなりませんか?
スマートフォンやテレビ、ラジオのような身の回りの電気機器をはじめ、今では移動に欠かせなくなった交通系ICカード、車のETCといった交通機関、GPSや気象レーダーのような大規模な装置にも、殆ど全てに電波(高周波)が使われています。

実は非常に身近で多くの場所で高周波が使われているのですが、世間の認知度が低く話も伝わらない、少し悲しい業界なんです。
私も知人に仕事の内容を説明する時、『高周波無線機器を売っている』というと全く伝わらないので、『スマホ通信用の基地設備やレーダー関係の装置を売っている』と言ってお茶を濁しているのですが、なかなかこれ以上のうまい言い方が見つかっていません。どなたか他にいい案がありましたら教えてください。

少し話が逸れてしまいましたが、電波とは高周波と同じく「波」という文字が使われているように、空間を伝わる電気エネルギーの波のことなんですね。電波は水面に石を投げ入れると生じる波のような性質をもっていて、空間を進んで遠くまで飛んでいきます。
また電波は以下のように周波数によって性質が大きく異なります。

・周波数が低いほど障害物の裏側にも回り込みやすく遠くまで伝わるが、電波に乗せられる情報量が少ない
・周波数が高いほど直進性が高く、障害物に邪魔されやすくなるが、電波に乗せられる情報量が多い

分かりやすい例を挙げるとラジオのAM放送とFM放送です。
AMラジオの周波数は1000kHz程度と低く、比較的どこにいても受信できますが音質はそこまで良くありません。対してFM放送は80MHzと少し高い周波数で、音質はクリアですが少しトンネルに入ると聞こえなくなることが多いです。

スマートフォンでは4G(LTE)から5Gへの進化のように周波数はどんどん高くなっていますので、通信速度が高速化、大容量データの伝送が可能になり、さらに便利なサービスが増えてくるでしょう。ただ周波数が高ければ良いというものではなく、そこには様々なハードルがあるのですが、高周波はまだまだ奥が深いので、また次の機会にでもお話できればと思います。

いかがだったでしょうか。このブログを通じて今までよりも『高周波』というものを身近に感じていただき、私たちの業界に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。それではまた。