第5回 高周波無線技術を支える高周波計測機の紹介

2023.11.22

今回は高周波計測器ではありませんが、当社の製造する高周波製品の信頼性を担保するための機器を紹介いたします。

【はじめに】
当社の製造する製品は情報通信社会におけるインフラを支える重要な役割を担っております。そういった製品が設置される環境としては、屋内のみならず屋外の厳しい環境に晒されることになります。北は北海道の北端、南は沖縄やその先の諸島など日本全国のあらゆる場所で使われる事を想定しなければなりません。北であれば氷点下-20℃に達することもあります。南であれば高温多湿の環境が想定されます。昨今の猛暑においては直射日光があたる場合で製品の表面温度が+60℃に達することもあります。
また、屋内であってもビルの天井裏などの空調が無い場所においては、夏場は製品にとって厳しい環境となります。
そういった環境においても機器類が正常かつ所定の性能を発揮することが求められます。
その為、疑似的に環境を再現して製造する製品を晒し、試験を行う必要があります。
その環境を作り出す設備が「恒温槽」となります。

【①恒温槽ってどんなもの】
恒温槽は、「槽」という」言葉が示す通り、装置内部に空洞があります。その空洞内部の温度や相対湿度を任意に設定できる装置となります。

温度・湿度の設定はプログラミングが可能で例えば1時間で-40℃から+50℃に変動など通常ではあり得ないほどの   急激な温度変化を製品に加えても正常に動作するのか試験を行う場合もあります。
また製品の寿命を推定するため、加速試験と呼ばれる高温高湿の環境下に晒して試験をする場合もあります。

当社では恒温槽を8台保有しております。
温度範囲は-40℃~+100℃、相対湿度は0%~100%RHと幅広い環境下において製品性能を評価することが可能です。
・ETAC FX430N、ESPEC PL-4KP他多数

 

 

今回は当社の製造する製品の信頼性を担保する設備を紹介いたしました。
そういった設備は他にもいくつか種類がありますので、これからも紹介していきたいと思います。 第6回へ続く(不定期更新です。)