半導体バーイン装置(RF/DC)
当社では長年にわたり日本国内の大手半導体メーカ様へ、高周波パワーFET(GaAs,GaN)用通電装置の納入実績がございます。 開発新規デバイスの信頼性試験や生産ラインでの使用等、お客様の使用用途に合わせた各種機能に対して、自社でカスタム対応しております。 また、ますます小型、複雑化するデバイスパッケージに対応した治具に関しても、高周波コンポーネントの設計・製造メーカであるメリットを活かして、高周波特性を考慮したデバイス治具設計等、お客様のご要望に沿ったカスタマイズ設計と長期メンテナンスも承ります。

特徴
- 1. 多様な装置構成
- 用途に合わせ、ホットプレート(ヒータ)タイプ、恒温槽タイプを選択可能です。
- 試験条件設定、通電試験、データ取得までを全自動化が可能です。
- 任意のFETに合わせ治具形状(バネタイプ、ワンタッチタイプ)をカスタマイズ可能です。
- 2. 発振に強い
- 1968年創業時より蓄積された高周波回路技術を駆使し、発振しにくい治具を実現しました。
- 大手半導体メーカ様の各種ラインナップに対応しており、特殊なFETにも自社開発により柔軟に対応可能です。
※発振とは、半導体の異常動作の一種で、FETを破損させてしまう可能性があります。
- 3. 安定動作が可能
- ハードウェア(電子回路)通電制御により、高温時の半導体が不安定動作になる現象を抑制します。これにより、素早い通電制御が可能であり高温時でも安定した動作を実現しております。
- 停電時や非常停止など緊急時にもお客様のFETを壊すことなく安全に装置を停止する安全停止回路を搭載しています。
- 計測用PCとの通信断となっても装置内に測定データを保持できますので測定データを無駄にしません。
外観・イメージ・波形データなど

(左)恒温槽タイプ、 (右)ホットプレートタイプ

(左から3つまで) 治具(バネタイプ)、 (一番右) 治具(ワンタッチタイプ)
治具設計検討例・・・構造

デバイス形状、高周波性能、発熱量、使いやすさなど、様々な方向から構造検討を行います。特殊なデバイスにも柔軟に対応可能です。
治具設計検討例・・・RF

動作周波数、Sパラメータなどの条件から高周波技術を用いてデバイスを最適な環境で通電試験できるように周辺回路の最適化を検討します。構造検討と並行して検討を進め、デバイスに最もマッチしたFET治具が完成となります。

システム全体のブロック概要
信頼性評価や量産時のスクリーニング用にRF通電またはDC通電を行い、FET実装治具にFETを実装し、高温下にてバーンイン試験を実施することができます。 バーンイン試験中の試験データ(FETに印加される電圧、電流、治具部温度)のデータ取得は測定用PCに取得データを記録、モニタが可能です。
ホットプレートタイプ

機能
通電装置の各ユニットには、装置を制御するファームウェアを搭載した制御部にて通電装置を個別に監視制御しております。
主要な機能は以下の各ユニットにて構成されております。
- 加熱通電部(恒温槽・デバイスユニット)
- FET実装治具をボード化した治具ボードを収納できます。
- 電圧・電流・温度条件を計測用PCから受け取り、それぞれの加熱通電部に設定可能です。
- バーンイン試験中に不用意に加熱部を開放されますとFETの破損や人的事故につながりますので、インターロック機能および安全停止回路を搭載しています。
- デバイス実装部(FET治具)
- お客様のFETを確実に固定し、長期試験でも安定した試験が可能です。
- FET治具はバネタイプ、ワンタッチソケットタイプ等デバイスのチャネル温度や通電条件、パッケージ形状やご使用用途に合わせてカスタマイズ可能です。
- バイアス電源部(デバイスユニット・VG/VD電源ユニット)
- デバイスユニット内に定電流回路を搭載しており、VG/VD電源ユニットから電源供給されています。
- ハードウェア(電子回路)通電制御により、高温時の半導体が不安定になる現象を抑制します。
- バイアス調整部(ボリュームユニット・計測切換ユニット)
- 手動入力タイプ:ボリュームユニットのボリュームを調整することにより任意のバイアス調整が可能です。
- 全自動タイプ:計測用PCから設定された設定値に従って電流・電圧を自動的に調整可能です。
- ゲート電圧バックアップ電源(VG電源用UPS)
- 1次電源の変動や停電・瞬停が発生してもバックアップ電源により安全停止回路が動作中はゲート電源を保持していますのでお客様のFETを破損することはありません。
- 緊急停止機能(AC電源ユニット)
- AC電源ユニットには漏電遮断ブレーカと緊急停止ボタンを搭載しています。各デバイス計測ラックに搭載しているので全装置を停止することなく安全に停止することができます。
- 自動計測機能(計測用PCアプリ・計測切換ユニット・デジタルマルチメータ・データロガー)
- バーンイン装置に接続されたパソコンに測定データを取り込み、各測定値のグラフ表示、ログ表示、装置運転状態をモニタすることが可能です。
- デバイス故障による異常時や停電時にもお客様のFETを壊すことなく装置を停止する安全停止回路を搭載しています。(バイアス印可シーケンス搭載)
- 計測用PCとの通信断となっても装置内に測定データを保持できますので測定データが無駄になりません。
- 電圧・温度設定は手動入力タイプとパソコンからパラメータデータを設定できる全自動タイプのどちらかをお客様の用途に合わせて選択できます
- 稼働監視(稼働監視サーバー)
- バーンイン装置内の計測用PCと稼働管理サーバーを接続することで、稼働監視サーバーとアクセスできる場所であれば、装置運転状況を把握することができます。
※稼働管理サーバーはお客様にてご用意ください。
- バーンイン装置内の計測用PCと稼働管理サーバーを接続することで、稼働監視サーバーとアクセスできる場所であれば、装置運転状況を把握することができます。
- 運転状態表示(パトライト・計測用PCアプリ)
- 装置運転状況をパトライトの点灯・点滅・発光色・ブザー鳴動パターンにより確認することができます。
- 計測用PCアプリの画面上でも運転状態や測定データを確認することができます。
主要性能
DCバーンイン試験用
搭載デバイス数 (1システムあたり) | ホットプレートタイプ:最大45個 恒温槽タイプ:最大64個 | リップルノイズ | 100mVpp以下 |
---|---|---|---|
加熱方式 | ホットプレートまたは恒温槽 | ゲート電圧分解能 | 10mV(手動入力タイプ) |
加熱温度範囲 | 常温~230℃ | ゲート電流分解能 | 10uA |
温度測定点 | ホットプレートタイプ:デバイス直下 恒温槽タイプ:周囲温度 | ドレイン電圧分解能 | 10mV(手動入力タイプ) |
FET治具タイプ | ワンタッチタイプまたはバネタイプ | ドレイン電流分解能 | 10mA |
温度上昇時間 | 常温→最高温度:45分 ※最高温度についてはご相談願います。 | 測定間隔 | 最小60s ~ 最大3,600s |
温度下降時間 | 最高温度→槽内40℃:45分 | 設定方法 | 【手動入力タイプ】 ⇒VG/VD電圧・電流、試験温度設定はお客様の操作にて行います。 【全自動タイプ】 ⇒計測用ソフトウェアが試験条件ファイルを取り込み、VG/VD電圧・電流、試験温度、測定間隔、通電時間の設定を自動で行います。 |
ゲート電源 | 0V ~ -20V /1A(1CHあたり) | データ取得方法 | データロガーまたは測定器自動制御 |
ドレイン電源 | 0V ~ +80V /3.5A(1CHあたり) | 供給電源 | AC200V |
※お客様のFETにより装置仕様および装置性能が異なります。
RFバーンイン試験用
搭載デバイス数(1システムあたり) | 16個 | リップルノイズ | 100mVpp以下 |
---|---|---|---|
加熱方式 | ホットプレート | ゲート電圧分解能 | 10mV(手動入力タイプ) |
加熱温度範囲 | 常温~250℃ | ゲート電流分解能 | 10uA |
温度測定点 | デバイス直下 | ドレイン電圧分解能 | 10mV(手動入力タイプ) |
FET治具タイプ | バネタイプ | ドレイン電流分解能 | 10mA |
RF周波数 | 4GHz,5.6GHz,9.6GHz,14GHz | 測定間隔 | 最小60s ~ 最大3,600s |
入力電力 | 4GHz:20W(+43dBm) 5.6GHz:20W(+43dBm) 9.6GHz:20W(+43dBm) 14GHz:10W(+30dBm) | 設定方法 | 【手動入力タイプ】 ⇒VG/VD電圧・電流、試験温度設定はお客様の操作にて行います。 【全自動タイプ】 ⇒計測用ソフトウェアが試験条件ファイルを取り込み、VG/VD電圧・電流、試験温度、測定間隔、通電時間の設定を自動で行います。 |
出力電力 | 最大200W(+53dBm)まで対応 | データ取得方法 | データロガーまたは測定器自動制御 |
温度上昇時間 | 常温→最高温度:45分 ※最高温度についてはご相談願います。 | 供給電源 | AC200V |
温度下降時間 | 最高温度→槽内40℃:45分 | ─ | ─ |
ゲート電源 | 0V ~ -20V /1A(1CHあたり) | ─ | ─ |
ドレイン電源 | 0V ~ +80V /3.5A(1CHあたり) | ─ | ─ |
※お客様のFETにより装置仕様および装置性能が異なります。