高周波無線技術を支える高周波計測機のご紹介
2022.09.09
前回に続き、製造部が高周波無線技術を支える高周波計測器を紹介いたします。
【はじめに】
今回はシグナルアナライザとシグナルジェネレータについて、簡単な説明を交えて当社保有の設備を紹介していきます。
【①シグナルアナライザ(スペクトラムアナライザ)ってどんなもの】
スペクトラムアナライザとは装置からどのような信号が出力されているのかをグラフィカルに表示する装置であり、信号に含まれている周波数成分や、相対的な違いなどの観測を容易にするための装置です。
DUT(テスト対象デバイス)から生成出力される信号や、シグナルジェネレータなどから出力された信号がDUTを介してどのように変化しているのかを観測することができます。
横軸に周波数、縦軸に信号のレベルを表示、周波数ごとに多くの信号が混在している場合や、信号の相互関係により発生する他の信号を観測する際などに役立ちます。
表示する際の処理方式にはスーパーヘテロダイン方式というIF周波数(中間周波数)へ変換する掃引型と、FFT方式(高速フーリエ変換方式:Fast Fourier Transform)というデジタル変換処理を行うことで、非常に高速な処理表示が可能なものがあります。
スペクトラムアナライザに加えて、デジタル変調のかかった信号の変調品質を解析する機能を備えたものがシグナルアナライザと呼ばれております。
そのほか、NFや位相雑音などの測定解析オプションも備えております。
主な観測可能項目
• スプリアス
• 相互変調歪(IM)
• 位相雑音、NF
• C/N比
• EVM、ACP
当社ではシグナルアナライザを20台以上保有
周波数範囲は2Hz~50GHzと幅広い周波数の製品性能を評価することが可能です。
・Keysight N9030、N9020、N9010シリーズ他
シグナルアナライザを評価に使用する当社製品例
・周波数コンバータ・発振器・増幅器・RoF装置・切替器・フィルタ etc
【②シグナルジェネレータってどんなもの】
シグナルジェネレータとは、名前の通り任意の周波数信号を発生する装置です。
高周波製品それぞれに対して、実際の運用に近い信号で動作させるために任意の信号を作成し評価します。
通常のCW(Sin波)はもちろんのこと、各種変調波(パルス、AM、FM、PM、デジタル)などの変調信号を生成することもでき、シグナルアナライザにて解析することで、DUTの変調品質などの評価も可能です。
デジタルプリディストーションの評価なども、シグナルアナライザと組み合わせることにより可能な機種もあります。
※DCに近い低い周波数の信号については、内蔵ファンクションジェネレータを用いることで生成することが可能です。
主な生成可能信号
• Sin波、矩形波、パルス信号
• AM、FM、PM変調波
• デジタル変調波(OFDM他)
当社ではシグナルジェネレータを25台以上
DC~50GHzの信号が生成可能です。(一部内蔵ファンクションジェネレータによる)
・Keysight E8257、N5183シリーズ他
シグナルジェネレータを評価に使用する当社製品例
・周波数コンバータ・発振器・増幅器・RoF装置・切替器・フィルタ etc
今回も2種類の計測器を紹介いたしました。
当社では周波数コンバータ、発振器、信号増幅器、切替器、フィルタ、RoF装置等の多くの製品をこれらの測定器を使用して性能評価しております。
高周波製品を評価、測定する装置は他にも多くの種類がありますので、これからも紹介していきたいと思います。 第3回へ続く(不定期更新です。)